及川会計事務所は、ＪＲ・東横線武蔵小杉の駅から徒歩5分の位置にある。広いスペースを贅沢に使った会議室に、落ち着いた感のある事務所。

至る所に皿や像などの調度品が並ぶ。「骨董は父母の趣味でもあるのですが、一番の目的はお客様が足を運んで下さる良い空間をつくるということです」と所長である及川雄介氏は語る。空間だけではない。事務所経営のイロハは全て、この両親の影響を色濃く受け継いでいる。

事務所の歴史は父・及川修氏が30年前に独立開業したところに始まる。当時、修氏は「ゼロからのスタート」で、所属していた事務所から、1件の顧問先も持たずに独立。そして、現在では約400件以上の顧問先を持つ事務所に成長した。「ここまで成長していて、実は営業経費はゼロに近い。ほとんどが紹介、口コミ」という。

つまり信頼による顧客獲得である。そこまでの信頼とは何か？

「たとえば、顧問料がいただけない状況のお客様でも最後まで手を切らない」 「不動産、金融などの強みを生かす。税務調査などでお客様を安心させることに重点を置く」。

一見、非効率的に見えるが、それが間違いでなかったことを現在の顧客数が示している。

その、経営方針を、現所長の雄介氏が受け継いでいる。「自らを律しクールに仕事を続ける父と、情熱的に行動する母。この両親が培った“なんでもやる”精神を存続させるのが私の使命です」と雄介氏。一方で、「経営計画や与実管理、未来的な会計を目指したい」と語る弟・浩次郎氏。この両翼がお客様に大きな信頼感を与えている。

（アックスコンサルティング編集部）